にゃーちゃんを拾って半年くらいは、縁側に置いた段ボール箱で、リードでつないで、行動を制限して飼っていた。
バアバが猫嫌いなので、お互いギリギリの妥協点がそこだった。
そして、「嫁に行く時は猫も連れて行ってね」がバアバの口癖だった。
だけど、昼間のミルクは頼まなくてもバアバが与えてくれていたし、私達がうまく飲ませられないと、頼まないのに哺乳ビンを横取りして、自慢げに「こうやって飲ませるの!ダメねえ」などと言っていた。
そして、その日一日のにゃーちゃんの様子を細かく話してくれたものだった。
にゃーちゃんが高齢猫の仲間入りをするまで嫁に行かなかったせいか、本当に嫁に行くことになった時には「にゃーちゃんは置いて行くでしょう?」と言ったバアバ。
いや、連れて行けるもんならそうしたかったんだけど、にゃーちゃんはすでに高齢。
置いて行くのが親心というものでしょう(^-^;
あれはもう2ヶ月くらいになってたかなあ……、自分で箱(ビール瓶の段ボール箱)に出入り出来るようになって、毎朝バアバが起きて来るのを箱の中から見て待っていたのを思い出す。
バアバはあの待ってる姿が可愛くてしかたないようだった。
そうそう、「にゃーちゃん」と言う名はバアバがつけたんだった。 私たちは「リド」ちゃんにしていたのに。
いつも家にいるバアバが「にゃーちゃん」と呼ぶからにゃーちゃん本ニャンも自分はにゃーちゃんなのだと決めてしまったらしい。
やがてにゃーちゃんは家中をリードを引きずって歩く猫になるが、つないであった縁側の鉄棒からリードをはずしたのがバアバ本人だった。
リードが短くて可哀想だからと。
誰のせいで可哀想な猫になってたのかは忘れてるらしい。
にゃーちゃんを拾ったのは6月8日だった。
目も開いてなかったことから考えると本当の誕生日は5月28日くらいだと思う。
22日にしたのは当時流行っていた動物占いに無理やり当てはめただけ(^_^;)
もうお誕生日のお祝いもしないし、家族記念日もとくにせず「そうだったなあ」と思い出すだけだけど、今でもにゃーちゃんはきっと私達の近くにいる。
そしてなにかあるとどこからともなく現れて、白い固い毛を残していく。
……ああ、いい男だったなあ、にゃーちゃんは。
22日にアップできなかったから今ごろお誕生日記念記事(^_^;)