実家近くの歯医者さんには、今はダイちゃんというワンコ1匹だけですが、私が小学生の頃にはすごい数のワンニャンがいた。
元は外科病院だった建物が残る敷地に、ニャンコは確かシャムの母ニャンのラミさんを筆頭に、リミ、ルミ、レミ、ロミという子供達とミックスの白黒が1匹(これが父ニャンかは覚えてない…)。
ワンコは柴系ミックスのレオくんを筆頭に、ミックスばかりが多分10〜15頭(正確に何頭いたのか当時でも分からなかった)。
………いや、一番多い時はもっといた気がする。
全てが元は捨て犬だった子だった。
ワンコ達は、高いフェンスに囲まれた広い裏庭に放し飼いで、自由にやっていた。
しつけはちゃんとされていたけど、たまに脱走するヤツがいて、フェンスに有刺鉄線を付けたりされていた。
そして、外科病院だった建物で、猫たちは自由に暮らしていた。
手術室なんか暗くて、色んな器具があって、私には怖かったけど、猫達は快適そうだった。
そして、たまに紛れ込む野良ニャンは、ラミさんと相性が良ければ居着いた。
飼い主は男3兄弟の末っ子の、当時中学生だった兄ちゃんだった。
猫ばかりでなく犬達のお世話もきちんとされていて、いつ遊びに行っても臭いとか汚いとか感じたことはなく、今思えばすごいことだなあ…と。
近所からの苦情も聞かなかったし。
今は広かった裏庭が駐車場になり、外科病院の建物だったところに歯医者が出来てるし、あの兄ちゃんは婿入りして遠くの温泉旅館の若旦那。
ちなみに歯医者は3兄弟の長男さん。
あの、いったい全部で何匹いたんだかわからない暮らしには憧れたなあ。
そして、なぜだか小学生の私にはラミさんとその子供達の名前がものすごくカッコよく思えた。
犬達がいた裏庭にあった、たくさんの実をつけたザクロの木も、なぜだかすごくカッコよく思えた。
そのザクロは今も駐車場の隅に植わっている。
大人になった今は、拾って来たワンコを全て飼うことを許してくれていたここのお母さんが格好いいなあ、と思う。(元病院長のお父さんはこの時既に故人)
あ、そのワンニャン達は自然減でいなくなって今に至ります。
このお母さん、現在はおばあちゃんですが、今ではダイちゃんの散歩係。
紀州犬混じりの大きなダイちゃんにたまに引き摺られて転び、擦り傷を作っておられますが、その傷を見せながら近所の人との立ち話を楽しんでおいでです。
今では捨て猫、野良猫は見ても、捨て犬、野良犬は見ない。
おばあちゃんが、もうあんなに世話出来ないし、拾って来る息子もいないからちょうどいいかも…とさらっと言われたのが、なぜか心に残った。
でも、ダイちゃんが一番なついてるのは孫娘さんですが(^_^;)
先日実家行った時、ちょっと通りかかったらダイちゃんの様子が違う。
なぜかと思ったらこれは2代目だと言われた。
春先に先代は虹の向こうへ行き、もう飼わないつもりが先代をもらった同じ家からまたお声がかかりもらったのだと言う。
にゃーちゃんと会ったことある子がまた減った……寂しくなった。