にゃーちゃんが離乳期を過ぎた頃、「人間の食べ物を猫になんかやるな!」と言っていた父が、テーブルの下でにゃーちゃんにちぎった刺身をやってから、お刺身解禁になったにゃーちゃん。
それまでは、そんなに毎日食卓にお刺身は登らなかった。
しかし、にゃーちゃんが喜ぶからと、母も毎日のように買ってくるようになり、それからほぼ毎日のようにお刺身が・・・・。
にゃーちゃんはわりとあっさり目の魚が好きで、脂の乗った魚はあまり好きではなかった。
お誕生日に鯛やマグロを買ってきたことがあったけど、たべなかった。
青魚も大好きだったが、やはり脂が乗ってる時期はあまり食べなかった。
まあ、青魚は猫にはあまりよろしくないので、そんなに食べさせてなかったが、それしか選択肢がない時は食べさせていた。
夕食時には家族みんなを呼び集め、早く座れ!と催促して、自分は父の右横にスタンバイ。
テーブルには上がらない。
そんなことしなくても、刺身の方が自分の口に来る事を知ってるからだ。
父はその日の刺身の一番いい所を、にゃーちゃんに好きなだけ食べさせてから残りを食べていた。
好きなだけ、と言ってもにゃーちゃんはせいぜい2〜3切れ、多くて5切れくらい食べたらごちそうさまだった。
ある時刺身がなかった。
イヤ、あった・・・でもその日はイカだった。
大丈夫な子もいるようですが、もしにゃーちゃんがイカに当たっては大変、と食べさせなかった。
ちゃんと座って待ってるのに、ちっとも自分の口に刺身が来ない。
立ち上がってテーブルを覗き込み催促してみたが、父は無視。
私たちのところにも廻ってきたが、皿に刺身はない。
目を吊り上げてに母の所に行き、その勢いで母の足をガブ〜ッ!!
母の悲鳴と同時に弟が「オマエが買ってこないからボクのお刺身がないんだ〜!!って言ってるんだね」と言い、母以外は大笑いした。
母は必死に「だって今日はイカしかいい刺身がなかったから仕方ないでしょ!明日は買ってくるから」とにゃーちゃんをなだめつつ、鰹節で騙していた。
以来、冷凍のカツオのたたきが、冷凍庫に常備されるようになった。
母は、「だってにゃーちゃんに噛まれたくないもん」と言っていたが、急な来客などにも重宝した。
もちろん、またイカしかなかった日には解凍してにゃーちゃんの口に入ったし、にゃーちゃん分しかいい刺身がなかった日には,父の口に入った。
今はカツオのたたきがあったすき間にアイスかなんかが入ってる。
父は毎日のようにあった刺身がなくなった事を、不満げに言うが、あれはにゃーちゃんのためだった事にまだ気付いてなかったらしい・・・・(^_^;)
そんな頃のにゃーちゃんと母。
母は当時48歳だ・・・若いなあ・・今は還暦も過ぎたよ(^_^;)