5月、セルジュは忙しかった。それはもう猛烈に。しかし、一仕事終え、ようやく多忙な日々から解放され、お楽しみの海外旅行へ出かけることにした。しかし、もちろん、ねこきちは連れて行けない。だからと言って、家において行くのも不安。そこで、例のキャリーに入れご近所さんに預けることにした。
ご近所さんは、一人暮らしでペットもおらず、猫が大好きとのこと。ねこきちもかわいがってもらい、すっかりなつくと思っていた。が、甘かった。ねこきちは、ご近所さんが近づくといつも威嚇のポーズをとっていたらしい。そして、決してなつくことなく、セルジュが帰ってくるまでの10日間、ご近所さんのお宅で、高い所に登り、ご近所さんがいる間は、降りてくることはなく、ただご近所さんがお出かけされている間に、降りてきては餌を食べていたそうだ。
それでも、ご近所さんは、ねこきちがリラックスできるようにと、別の猫を飼っておられる方に預けて下さった。しかし、ねこきちは、そこでも、やはり同じようになつかず、他の猫たちとかかわることもなく過ごしたらしい。
最近わかったことだが、ねこきちは、セルジュと家族以外になつかないかわいくない猫であった・・・。